サガフロ関係
[[!-- ▼画像一覧では非出力 --]]
別名義で書いてた作品の再掲その1。
ブルー編エンディング後元の世界に帰還してる前提。
とある人形の話
俺達はあの戦いの後、地上に帰って来た。話によると手術馬鹿の妖魔医者に助けられたらしい。身体の調子が安定して来たので僕達は久しぶりに外に出ることにした。
「よおブルー、久しぶりだなぁ」マンハッタンで必要なものをほぼ買い終えた時に、俺の資質集めに同行していたリュートに声を掛けられた。
「リュートか、どうした」
「久しぶりに会った仲間に声掛けて悪いかよー」
「いや・・・そういうわけではないが・・・お前は何をしにきたんだ」
「ちょっと新しい商品が出たって聞いて見に来たんだ。せっかくだからお前も見るかい?」
「俺は別に・・・」
「まあまあそう言わずに」
俺の意思は無視か。
『ブルーは世間を知らなさすぎるからこの機会に見てみるのもいいと思うけどな』
奴が囁く。俺達が1つになってからしばらく経つがこの感覚は未だに慣れない。
「まあ・・・いいか」
俺はリュートの後をついていくことにした。
リュートがマンハッタンの街並みを案内していく。僕はいつだったか仲間に連れられて見たことがあったが俺はろくに街を見ていなかった。ルージュの意識があるからか以前よりもただショッピングモールを行くことの意義が理解できる気がした。リュートは楽しそうに解説していく。
ふと、俺はあるショーウィンドウに釘付けになった。そこにあったのは2つの人形だった。
上の方に糸が付いているるからマリオネットだろうか。一つは銀髪の赤い人形でもう一つは金髪の青い人形だった。
-「ルージュを殺せ!」-
-『ブルーを殺せ!』-
-「お前を倒し、資質を含めた時術の全てを譲り受ける」-
-『その必要はない。貴方を倒して、資質を含めた空術の全てを譲り受けるから』-
-「俺は、誰だ?ブルーなのか、ルージュなのか?」-
-「俺達を操り、殺し合わせ、何をさせる気だ」-
-「その為に俺達を犠牲にしたのか!何も知らなかった俺を!!」-
何故かわからないがその2つの人形に本能的に嫌悪感を覚えた。あの青い人形、『あの赤い人形』、それはまるで・・・
「おいブルー、大丈夫か!?」
リュートが心配したのか声をかけてきた。
「ああ、ちょっと目眩がしただけだ」
「やっぱりまだ治りきってなかったんじゃないか?無理に連れ回して悪かったよ」
「気にしなくていい。僕達も見てて楽しかったし」
「また今度会ったら一緒に行こうぜ〜」
「考えておく」
「まあ俺も用事終わってるからシップ発着場まで一緒に行こうぜ〜ってお前はゲート使うんだっけ?」
「いや・・・たまにはシップを使うのも悪くないな」
「ええ!?どういう風の吹き回しだよ!?明日は〜♪雪が〜降るぜ〜」
「騒音を発するのはやめろ」
「やっぱりいつものブルーだ」
シップの中で能天気な奴が話を振ってくる。俺は適当に相槌を打ちながら考える。例の人形を見た時リュートが声をかけてくれなかったら僕達はどうなっていたのだろうか。俺達はリュートのお陰で・・・
「そういやさっきの人形」
「俺は寝る!後は知らん!」
やはりリュートとシップに乗るべきじゃなかった。俺は寝たフリをすることにした。
「・・・見た目がブルーそっくりって言おうとしただけなのにな〜なんでこんなに怒るんだろう」
(それが1番問題なんだ、リュート)
畳む
ブルー編エンディング後元の世界に帰還してる前提。
とある人形の話
俺達はあの戦いの後、地上に帰って来た。話によると手術馬鹿の妖魔医者に助けられたらしい。身体の調子が安定して来たので僕達は久しぶりに外に出ることにした。
「よおブルー、久しぶりだなぁ」マンハッタンで必要なものをほぼ買い終えた時に、俺の資質集めに同行していたリュートに声を掛けられた。
「リュートか、どうした」
「久しぶりに会った仲間に声掛けて悪いかよー」
「いや・・・そういうわけではないが・・・お前は何をしにきたんだ」
「ちょっと新しい商品が出たって聞いて見に来たんだ。せっかくだからお前も見るかい?」
「俺は別に・・・」
「まあまあそう言わずに」
俺の意思は無視か。
『ブルーは世間を知らなさすぎるからこの機会に見てみるのもいいと思うけどな』
奴が囁く。俺達が1つになってからしばらく経つがこの感覚は未だに慣れない。
「まあ・・・いいか」
俺はリュートの後をついていくことにした。
リュートがマンハッタンの街並みを案内していく。僕はいつだったか仲間に連れられて見たことがあったが俺はろくに街を見ていなかった。ルージュの意識があるからか以前よりもただショッピングモールを行くことの意義が理解できる気がした。リュートは楽しそうに解説していく。
ふと、俺はあるショーウィンドウに釘付けになった。そこにあったのは2つの人形だった。
上の方に糸が付いているるからマリオネットだろうか。一つは銀髪の赤い人形でもう一つは金髪の青い人形だった。
-「ルージュを殺せ!」-
-『ブルーを殺せ!』-
-「お前を倒し、資質を含めた時術の全てを譲り受ける」-
-『その必要はない。貴方を倒して、資質を含めた空術の全てを譲り受けるから』-
-「俺は、誰だ?ブルーなのか、ルージュなのか?」-
-「俺達を操り、殺し合わせ、何をさせる気だ」-
-「その為に俺達を犠牲にしたのか!何も知らなかった俺を!!」-
何故かわからないがその2つの人形に本能的に嫌悪感を覚えた。あの青い人形、『あの赤い人形』、それはまるで・・・
「おいブルー、大丈夫か!?」
リュートが心配したのか声をかけてきた。
「ああ、ちょっと目眩がしただけだ」
「やっぱりまだ治りきってなかったんじゃないか?無理に連れ回して悪かったよ」
「気にしなくていい。僕達も見てて楽しかったし」
「また今度会ったら一緒に行こうぜ〜」
「考えておく」
「まあ俺も用事終わってるからシップ発着場まで一緒に行こうぜ〜ってお前はゲート使うんだっけ?」
「いや・・・たまにはシップを使うのも悪くないな」
「ええ!?どういう風の吹き回しだよ!?明日は〜♪雪が〜降るぜ〜」
「騒音を発するのはやめろ」
「やっぱりいつものブルーだ」
シップの中で能天気な奴が話を振ってくる。俺は適当に相槌を打ちながら考える。例の人形を見た時リュートが声をかけてくれなかったら僕達はどうなっていたのだろうか。俺達はリュートのお陰で・・・
「そういやさっきの人形」
「俺は寝る!後は知らん!」
やはりリュートとシップに乗るべきじゃなかった。俺は寝たフリをすることにした。
「・・・見た目がブルーそっくりって言おうとしただけなのにな〜なんでこんなに怒るんだろう」
(それが1番問題なんだ、リュート)
畳む
ブルー編ラストバトル後の地獄での2人の話。死ネタ(?)注意。
帰るべき場所
戦いが終わった途端、奇妙な感覚が俺を襲った。まるで自分の一部が抜けていくような、そんな感覚だった。
次の瞬間、俺は目を疑った。そこにいたのは俺が殺したはずの双子の片割れ、ルージュだったのだ。
「ルージュ、大丈夫か?」
俺は思わずルージュに声をかけた。だが奴は返事をしない。
「おい、しっかりしろ」
かつて殺した片割れ。1つになってからは不思議と奴を憎む気持ちもなくなった。元々1つだったのをマジックキングダムの手によって2つに分けられたからだろう。
「ルージュ、返事をしろ!」
何故今になって2人に戻ったのかは分からない。ただかつてのように殺し合うのではなくたった1人の肉親として、奴に接したい気がした。他のリージョンで生まれた、ごく普通の兄弟のように。
「一緒に帰るぞ、そしてやり直そう」
今なら俺達は理解し合えるのかもしれない。そのチャンスが与えられたのかもしれないと思った。
「俺達の人生はまだはじまったばかりなんだ、だから戻るぞ!」
マジックキングダムに与えられた使命の為に今まで生きてきた。だが奴等は俺達を利用してきただけだった。地獄の君主を倒した今、真に俺達の意思で決められる人生が始まった気がした。
「ブルー…こんどは…きみと‥」
次の瞬間、彼は物言わぬ屍と化した。
「ルージュ!ルージュ!」
俺の頰が濡れていた。
空のないこのリージョンで頰が濡れる理由なんて1つしかなかった。
俺は旅をしている時に周囲に冷血漢だの性格が悪いと言われた。泣くなんて絶対あり得ないだろと言われたこともあった。あの空間でルージュを殺した時もこれで使命を果たせると思ったまでだ。なのに何故今俺は泣いているのだろう。
俺にはわからない。ただ俺は願う。
いつか俺自身の生を終えて生まれ変わった時にはまたルージュと双子になれますように。今度は殺し合うこともない、ごく普通の双子として。
生まれ変わりが本当にあるかはわからない。事実かつての俺は信じなかった。それでも願いたかった。
「ブルー、ブルー!」
誰かが俺を呼んでいる。かえらないといけない気がする。
「ルージュ、全部終わったらまた、な・・・」
俺は声の元へと歩み始める。奴が微笑んだ気がした。
最後彼を呼んだのが誰なのか、どこに行ったかはご想像にお任せします。
畳む