腐あり,闇綱,二次創作 2024/07/08 Mon 七夕当日にネタが降りてきたものの結局当日に間に合わんかったやつ。書きたいネタの3割くらいしか書けてないので続きや前日譚もそのうち書きたい。前提条件・シウグナス編1周目エンド後の話・ミヤコ市は共通ルート進行(あんまりその要素はない)・綱紀は眷属になってる注意事項・眷属周りの捏造・エンディング後の仲間の居場所捏造(綱紀がミヤコ市に帰還、戦士団はヨミに留まっている)・雑な七夕の説明それでもOKという方はどうぞ続きを読む◇◇◇主の声が聞こえた。彼が、この地に再び訪れる。◆◆◆初めて会った場所に彼は現れた。「あの旅以来だな、御堂綱紀よ」この声に安心感を覚えるのは眷属の本能故だろうか。「久しぶりやな、闇の王さん。今回は1人なんやな」「戦士団に隠れてここに来たからな」「それ後で怒られるやつやで」「明日には戻るから問題ない」「そういう問題ちゃいますわ。ちゃんと連絡はせなあかんよ」「考えておこう」「反省しとらんやろ闇の王さん」口ではああ言うたけど誰にも言わずに1人で自分に逢いに来た。その事実に喜びを覚えとる。想像以上に自分はー「ところで草に何か引っかかっているがこれはなんだ」闇の王さんは駅前の七夕の笹を指差して俺に問いかける。ああそういう人やったわ!「それは七夕飾りやな。笹に願い事を書いた短冊を吊るしとるんや」「つまりこの飾りには人々の闇が詰まっているというわけか」「相変わらずブレへんな闇の王さんは…」「しかし何故以前ここを訪れた時はこの飾りはなかったのだ?」そう問われて七夕の伝説の説明をした。仲睦まじい夫婦がいたが天によって離れ離れにされたと。一度は引き裂かれたものの2人があまりにも悲しんだが故に年に一度天の川を渡って会うことを許された、それが今日なのだと。「ほう、この地の人間は面白いことを考えるな」「特にミヤコ市は昔からの伝統を大切にしとるからこういう伝説や祭りが多く残っとるんや」旅の間、時に今日のようにガイドをし、時に突拍子もない行動に振り回され、時に「眷属」として共に過ごしてきた。彼が玉座を取り戻した後、ミヤコ市に戻ったことに後悔はない。それでも会うともっと一緒にいたいと願ってしまう。願いが吊るされた笹が目に入る。織姫と彦星も同じことを思ったんやろうか。「それで……折角今日来はったなら、自分と、七夕デート、してくれへんやろうか」あかん、欲がこぼれてもうた。しかも小さな頃から知っている伝説に自分達を重ねて、なんて。「ああ今のは忘れ」「よかろう。この地の形に合わせるのも面白い」闇の王さんが自分の手を取った。「ちょ、闇の王さん。みんな見とるんやけど」「ほう、手を繋ぐのは嫌だったか」「そういうわけやないけど…」「なら問題はないな」闇の王さんの目が赤く光る。「それとこのデートとやらの間は私のことを名前で呼べ」眷属としての本能はこの瞳に抗えない。「わかりました、シウグナスさん」だがやられっぱなしで終わりたくはない。「その代わり自分のことも綱紀、と呼んでもらうで」「承知した、綱紀よ」一日限りの逢瀬が、始まる。畳む
七夕当日にネタが降りてきたものの結局当日に間に合わんかったやつ。書きたいネタの3割くらいしか書けてないので続きや前日譚もそのうち書きたい。
前提条件
・シウグナス編1周目エンド後の話
・ミヤコ市は共通ルート進行(あんまりその要素はない)
・綱紀は眷属になってる
注意事項
・眷属周りの捏造
・エンディング後の仲間の居場所捏造(綱紀がミヤコ市に帰還、戦士団はヨミに留まっている)
・雑な七夕の説明
それでもOKという方はどうぞ
◇◇◇
主の声が聞こえた。
彼が、この地に再び訪れる。
◆◆◆
初めて会った場所に彼は現れた。
「あの旅以来だな、御堂綱紀よ」
この声に安心感を覚えるのは眷属の本能故だろうか。
「久しぶりやな、闇の王さん。今回は1人なんやな」
「戦士団に隠れてここに来たからな」
「それ後で怒られるやつやで」
「明日には戻るから問題ない」
「そういう問題ちゃいますわ。ちゃんと連絡はせなあかんよ」
「考えておこう」
「反省しとらんやろ闇の王さん」
口ではああ言うたけど誰にも言わずに1人で自分に逢いに来た。その事実に喜びを覚えとる。想像以上に自分はー
「ところで草に何か引っかかっているがこれはなんだ」
闇の王さんは駅前の七夕の笹を指差して俺に問いかける。ああそういう人やったわ!
「それは七夕飾りやな。笹に願い事を書いた短冊を吊るしとるんや」
「つまりこの飾りには人々の闇が詰まっているというわけか」
「相変わらずブレへんな闇の王さんは…」
「しかし何故以前ここを訪れた時はこの飾りはなかったのだ?」
そう問われて七夕の伝説の説明をした。仲睦まじい夫婦がいたが天によって離れ離れにされたと。一度は引き裂かれたものの2人があまりにも悲しんだが故に年に一度天の川を渡って会うことを許された、それが今日なのだと。
「ほう、この地の人間は面白いことを考えるな」
「特にミヤコ市は昔からの伝統を大切にしとるからこういう伝説や祭りが多く残っとるんや」
旅の間、時に今日のようにガイドをし、時に突拍子もない行動に振り回され、時に「眷属」として共に過ごしてきた。
彼が玉座を取り戻した後、ミヤコ市に戻ったことに後悔はない。それでも会うともっと一緒にいたいと願ってしまう。願いが吊るされた笹が目に入る。織姫と彦星も同じことを思ったんやろうか。
「それで……折角今日来はったなら、自分と、七夕デート、してくれへんやろうか」
あかん、欲がこぼれてもうた。しかも小さな頃から知っている伝説に自分達を重ねて、なんて。
「ああ今のは忘れ」
「よかろう。この地の形に合わせるのも面白い」
闇の王さんが自分の手を取った。
「ちょ、闇の王さん。みんな見とるんやけど」
「ほう、手を繋ぐのは嫌だったか」
「そういうわけやないけど…」
「なら問題はないな」
闇の王さんの目が赤く光る。
「それとこのデートとやらの間は私のことを名前で呼べ」
眷属としての本能はこの瞳に抗えない。
「わかりました、シウグナスさん」
だがやられっぱなしで終わりたくはない。
「その代わり自分のことも綱紀、と呼んでもらうで」
「承知した、綱紀よ」
一日限りの逢瀬が、始まる。
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