サガフロ,二次創作 2024/07/11 Thu サガフロ再掲シリーズ2。ブルー編ラストバトル後の地獄での2人の話。死ネタ(?)注意。続きを読む帰るべき場所戦いが終わった途端、奇妙な感覚が俺を襲った。まるで自分の一部が抜けていくような、そんな感覚だった。次の瞬間、俺は目を疑った。そこにいたのは俺が殺したはずの双子の片割れ、ルージュだったのだ。「ルージュ、大丈夫か?」俺は思わずルージュに声をかけた。だが奴は返事をしない。「おい、しっかりしろ」かつて殺した片割れ。1つになってからは不思議と奴を憎む気持ちもなくなった。元々1つだったのをマジックキングダムの手によって2つに分けられたからだろう。「ルージュ、返事をしろ!」何故今になって2人に戻ったのかは分からない。ただかつてのように殺し合うのではなくたった1人の肉親として、奴に接したい気がした。他のリージョンで生まれた、ごく普通の兄弟のように。「一緒に帰るぞ、そしてやり直そう」今なら俺達は理解し合えるのかもしれない。そのチャンスが与えられたのかもしれないと思った。「俺達の人生はまだはじまったばかりなんだ、だから戻るぞ!」マジックキングダムに与えられた使命の為に今まで生きてきた。だが奴等は俺達を利用してきただけだった。地獄の君主を倒した今、真に俺達の意思で決められる人生が始まった気がした。「ブルー…こんどは…きみと‥」次の瞬間、彼は物言わぬ屍と化した。「ルージュ!ルージュ!」俺の頰が濡れていた。空のないこのリージョンで頰が濡れる理由なんて1つしかなかった。俺は旅をしている時に周囲に冷血漢だの性格が悪いと言われた。泣くなんて絶対あり得ないだろと言われたこともあった。あの空間でルージュを殺した時もこれで使命を果たせると思ったまでだ。なのに何故今俺は泣いているのだろう。俺にはわからない。ただ俺は願う。いつか俺自身の生を終えて生まれ変わった時にはまたルージュと双子になれますように。今度は殺し合うこともない、ごく普通の双子として。生まれ変わりが本当にあるかはわからない。事実かつての俺は信じなかった。それでも願いたかった。「ブルー、ブルー!」誰かが俺を呼んでいる。かえらないといけない気がする。「ルージュ、全部終わったらまた、な・・・」俺は声の元へと歩み始める。奴が微笑んだ気がした。最後彼を呼んだのが誰なのか、どこに行ったかはご想像にお任せします。畳む
ブルー編ラストバトル後の地獄での2人の話。死ネタ(?)注意。
帰るべき場所
戦いが終わった途端、奇妙な感覚が俺を襲った。まるで自分の一部が抜けていくような、そんな感覚だった。
次の瞬間、俺は目を疑った。そこにいたのは俺が殺したはずの双子の片割れ、ルージュだったのだ。
「ルージュ、大丈夫か?」
俺は思わずルージュに声をかけた。だが奴は返事をしない。
「おい、しっかりしろ」
かつて殺した片割れ。1つになってからは不思議と奴を憎む気持ちもなくなった。元々1つだったのをマジックキングダムの手によって2つに分けられたからだろう。
「ルージュ、返事をしろ!」
何故今になって2人に戻ったのかは分からない。ただかつてのように殺し合うのではなくたった1人の肉親として、奴に接したい気がした。他のリージョンで生まれた、ごく普通の兄弟のように。
「一緒に帰るぞ、そしてやり直そう」
今なら俺達は理解し合えるのかもしれない。そのチャンスが与えられたのかもしれないと思った。
「俺達の人生はまだはじまったばかりなんだ、だから戻るぞ!」
マジックキングダムに与えられた使命の為に今まで生きてきた。だが奴等は俺達を利用してきただけだった。地獄の君主を倒した今、真に俺達の意思で決められる人生が始まった気がした。
「ブルー…こんどは…きみと‥」
次の瞬間、彼は物言わぬ屍と化した。
「ルージュ!ルージュ!」
俺の頰が濡れていた。
空のないこのリージョンで頰が濡れる理由なんて1つしかなかった。
俺は旅をしている時に周囲に冷血漢だの性格が悪いと言われた。泣くなんて絶対あり得ないだろと言われたこともあった。あの空間でルージュを殺した時もこれで使命を果たせると思ったまでだ。なのに何故今俺は泣いているのだろう。
俺にはわからない。ただ俺は願う。
いつか俺自身の生を終えて生まれ変わった時にはまたルージュと双子になれますように。今度は殺し合うこともない、ごく普通の双子として。
生まれ変わりが本当にあるかはわからない。事実かつての俺は信じなかった。それでも願いたかった。
「ブルー、ブルー!」
誰かが俺を呼んでいる。かえらないといけない気がする。
「ルージュ、全部終わったらまた、な・・・」
俺は声の元へと歩み始める。奴が微笑んだ気がした。
最後彼を呼んだのが誰なのか、どこに行ったかはご想像にお任せします。
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